制作日記~Kaoru Mizuki

2013 04
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交信詩曲「手放す」
youtubeに初めて自作品をアップロードしました。

オーフィアス組曲より 交信詩曲 「手放す」です。

この曲は、オーフィアス組曲中のピアノ曲。うさぎの母、宮之島としは、天と対話する特殊能力をもっていました。特に嵐に語りかけるのが大好きでした。娘のしろは、母のポエトリーリーディングの後ろで、即興でピアノを弾いては、楽しんだものです。

その母も亡くなり、今は、兄のじゅりと共に、サザンクロスの農場を守っています。

ピアノ音源=ivory  

打ち込み(コンピュータミュージック)で作っていますので、間のとりかたなどがベストではありませんが、できる限り、ヒューマンになるように、編集作業には時間をかけました。2011年の作品です。




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          「交信詩 手放す」
          
          風は歌っている。
          息を潜め 時を止め
          涙を飲み込んでは
          歌っている。

          風は歌っている。
          ありったけの力をふりしぼって
          哀しみのメロディを歌っている。
 
          いちじくの木が あごひげをなびかせて タクトをとると
          森の木々は 重厚なハーモニーを奏で始める。
          
          風の歌はレクイエムとなり
          はんの木は 厳かに踊りを捧げ
          桜の木は 咲きかけの花を惜しげもなく散らし
          空のかなたに放ってゆく。
          わたしは 弔いの鐘を打ち鳴らし 天に語りかけた。

          吾子よ 手放しの存在よ。我らの想いは届いたか?
          雲よ 新生の門出に 祝福の雨を授けておくれ。

          ひとしずくの雨 頬をつたい
          乾いた大地の喉を潤す。
          雨の匂いは 土の目覚め
          ひざまづいて耳をすませば
          柔らかな雨の安らぎ 翡翠色の森を包む。

          地の底には 命の種
          ゴウゴウと蠢いて 芽吹きの時を待っている。

          風よ 大いなる風よ
          命を芽吹かせ 心を解き放っておくれ。
          木々と共に 大地の歌を歌っておくれ。

          海よ 天空の海よ
          命を巡り巡らせ 新しい世界へ運んでおくれ。
          宇宙(そら)へ 天界の海へ
          

           海が遠くでうなっている。
          最果ての海風は 氷をばら撒きながら
          荒くれた声で歌っている。
          南の火風は ため息まじりのかすれ声で
          ささやくように 歌いかける。

          風たちは 見つめあい 抱(いだ)きあい
          海のゆりかごに揺られて
          混ざり合い 渦巻いて
          天界に翔け上っていった。

          空には雲海の翼をまとった大鷲が現れ
          紅色の目玉をカッと見開き 灼熱の息を吹きかけては
          地をにらみつけている。

          足踏み轟け 空をゆさぶれ
          赤い目玉の大鷲を
          天の果てまで吹き飛ばせ。

          風よ ダッタン 
          森一番の長老杉の
          三叉の枝を凍らせて
          鋭い刃に仕立て上げ
          大鷲めがけて吹き飛ばせ。

         
          足踏み轟け 天に手放せ。
          命の綱を 振りほどけ。
         
         ダッタン 
      

         
          ダンダダン ダッタン



         翼はきらめく 雲の海
         波のまにまに 星はまたたく。
         ちぎれ雲は 翼のかけら
         流れ流され 天の果て。

        
         氷の三叉に射抜かれた
         紅の目玉は 星の赤子。
         三叉の刃に刺された月は
         凍てつく空の 切り裂きナイフ。

         星屑の雨 空を舞い
         風の吐息 白く煙る。
         月影と共に 地に消えゆく。


        
        星の血潮よ 脈打つ命よ
         天と地と 駆け巡れ。
         命のこだまを響かせて
         縦横無尽に 駆け巡れ。

         風を連れて 
         息づく鼓動を 聞きながら
         駆け巡れ。
       
        風は歌っている。
        緑の匂いを ふりまいては
        歌っている。

        風は歌っている。
       こぼれおちる 柔らかな日差しと微笑みあって 
        芽生えの息吹を 感じながら。


                            宮之島とし

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